【WIN5格言集#14】ハンデ戦は「総流し」を武器に得意科目にすべし

2025年6月17日

自宅のリビングで競馬の結果を見て、驚愕の表情を浮かべる若い男性

「ありえへん…」「なんでこの馬が…」・・・。WIN5の的中を目前で砕く、ハンデ戦でまさかの最低人気の馬が勝利する大波乱。多くの競馬ファンが頭を抱えるこの「事故」は、もはや他人事ではありません。的を絞り切れずに涙をのんだ経験は、あなたにもありませんか?

そこで僕が提唱したいのが、今回の格言『ハンデ戦は「総流し」を武器に得意科目にすべし』です。これは思考停止の暴論ではなく、難解なハンデ戦を確実に突破し、WIN5完全的中を手繰り寄せるための、極めて有効な戦略的選択肢なのです。

この記事では、なぜ「総流し」がWIN5において有効なのかを過去の波乱レースと共に徹底解説。さらに「勝ちに不思議の勝ちあり」の名言を紐解きながら、ハンデ戦の本質に迫ります。この記事を読めば、ハンデ戦を“鬼門”から“得意科目”に変えるヒントが見つかるはずです。

ハンデ戦は「総流し」を武器に得意科目にすべし

WIN5で高配当を狙う上で、避けては通れないのがハンデ戦の存在です。実力が拮抗し、どの馬が勝つか予測困難なこのレースをどう攻略するかは、多くのファンにとって永遠のテーマでしょう。

だからこそ、僕はあえて「総流し」という選択肢を持つべきだと考えています。それは単なる運任せではなく、WIN5という馬券の特性を突いたクレバーな戦術なのです。

この章で解き明かす「総流し」戦法の核心

  • ハンデ戦の本質:「どの馬にも勝つ権利がある」レース
  • 「勝ちに不思議の勝ちあり」を資金力で拾いに行く
  • 「事故」を回避し、他の4レースに集中できる精神的安定

ハンデ戦の本質:「どの馬にも勝つ権利がある」レース

まず大前提として、ハンデ戦はJRAのハンデキャッパーが「全出走馬の勝つチャンスが、ゴール前で均一になるように」と願いを込めて斤量を設定するレースです。実績のある馬には重い斤量を課し、実績の劣る馬や勢いのある上がり馬には軽い斤量を与えることで、能力差を極限まで埋めようとします。

つまり、ハンデ戦は制度上「どの馬が勝ってもおかしくない」ように作られているのです。それにもかかわらず、僕たちは過去の実績や人気といったファクターに頼って予想を組み立て、買い目を絞ろうとします。しかし、その努力をあざ笑うかのように、とんでもない人気薄が激走するのがハンデ戦の恐ろしさであり、また醍醐味でもあるのです。

「勝ちに不思議の勝ちあり」を資金力で拾いに行く

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

この言葉は、故・野村克也監督が残された名言としても有名ですが、負けには必ず分析すべき原因がある一方、勝ちの中には理屈では説明できない、運や偶然に助けられた「不思議な勝ち」が存在するという意味です。

これを競馬に置き換えたとき、ハンデ戦で最低人気の馬が勝つといった大波乱こそ、まさにこの「不思議な勝ち」の典型例と言えるでしょう。展開、馬場、馬の気分、騎手の好判断など、あらゆる要素が奇跡的に噛み合った結果生まれる、予測不能の勝利。この「不思議な勝ち」を、限られた情報と時間の中でピンポイントで予測するのは至難の業です。

そこで逆転の発想が生まれます。予測できないのなら、いっそのこと全ての可能性を資金でカバーしてしまえばいい。これが「総流し」の本質です。自らの予想力を超えた「不思議な勝ち」を、資金力という名の網で一網打尽にする。これほど確実な戦術はありません。

「事故」を回避し、他の4レースに集中できる精神的安定

WIN5は5つのレースを連続で的中させなければならない、非常にシビアで長丁場の馬券です。1レースでもつまずけば、その時点ですべてが水の泡となります。

そんな中で、最も「事故」が起こりやすいのがハンデ戦です。この鬼門を「総流し」で通過すると決めてしまえば、「このレースはもらった」という大きな精神的アドバンテージを得ることができます。僕自身、過去にハンデ戦で総流しをした経験が何度もありますが、1つの難解なレースを突破できると確定しているだけで、残りの4レースに全神経を研ぎ澄ませて臨むことができるのです。

無駄な取りこぼしを心配する必要がなくなり、他のレースの予想精度が格段に上がる。この精神的な安定こそ、「総流し」がもたらす最大の副産物と言えるかもしれません。

【事例集】:「総流し」が必須だった衝撃のハンデ戦

競馬場のゴール前、たくさんの馬券が宙を舞っているシーン。

「理屈じゃない、現実を見てみろ」と言わんばかりに、ハンデ戦は時として我々の常識を木っ端微塵に打ち砕きます。僕自身の苦い失敗談と、過去の衝撃的なデータを振り返りながら、なぜハンデ戦で「総流し」という大胆な決断が必要になるのか、その現実を直視していきましょう。

この章で振り返るハンデ戦の大波乱譜

  • 「総流し」以外に術はなかったパラダイスS(失敗談)
  • データが語る衝撃!WIN5ハンデ戦・最低人気馬の逆襲
  • 最低人気だけじゃない!ブービー人気も波乱の主役

「総流し」以外に術はなかったパラダイスS(失敗談)

もう忘れることはない、2025年6月15日のこと。その日のWIN5、僕はWIN3まで順調に駒を進め、的中への期待に胸を膨らませていました。4レース目に迎えたのが、ハンデ戦のパラダイスS

1400m戦というただでさえ難解な条件に加え、何が起きても不思議ではないハンデ戦ということで、「ここが最大のヤマ場だ」と判断し、6頭も買い目に加えて万全の態勢で臨んだつもりでした。

しかし、結果は無情でした。勝ったのは、まさかの単勝最低人気、菊沢一樹騎手が駆る9歳馬のカリボール・・・。完全にスルーしてました。

レース後、僕は何度も自分の思考をトレースしました。しかし、1400mの勝利実績もなく(0•0•3•8)、菊沢騎手はテン乗りで中間追い切りにも騎乗しておらず、最軽量という訳でもなく、それなりのハンデを背負った9歳馬を、どう分析すれば買い目に加えられたというのでしょうか。後から振り返っても、この馬が勝った理屈が理解できないのです。この馬券を獲るには、もはや「総流し」という手段以外に術はなかった。そう結論づけるしか、僕の心は収まらなかったのです。

このレースは、僕にハンデ戦の本当の恐ろしさと、「総流し」という戦略の必要性を改めて痛感させるには十分すぎる一戦でした。

データが語る衝撃!WIN5ハンデ戦・最低人気馬の逆襲劇

僕の失敗談は、決して特殊なケースではありません。WIN5の歴史を紐解けば、ハンデ戦で最低人気馬が勝利し、多くのファンの夢と大金を一瞬にして打ち砕いてきた事実が浮かび上がります。

ハンデ戦で最低人気が勝利した実績一覧(WIN5対象レース全期間)

   
日付 開催 レース名 馬名 着順 頭数 人気 払戻金
25/06/15東京パラダイスSカリボール114144085万5250円
20/07/19阪神中京記念メイケイダイハード11818キャリーオーバー
16/10/09京都オパールSラインスピリット113136460万2470円
14/11/23京都花園Sサンマルデューク11616キャリーオーバー
14/06/01京都東大路Sジョウノボヘミアン115151億8249万3460円
11/07/24新潟柳都Sメイショウエンジン115151536万3640円

ご覧の通り、これらのレースを買い目から外した瞬間に、WIN5完全的中の夢は潰えます。的中すれば億超えの配当や、誰も的中できずにキャリーオーバーが発生するなど、まさに天国と地獄を分けるレースばかりです。自分の予想力だけで太刀打ちしようとすることの危うさを、このデータは雄弁に物語っています。

最低人気だけじゃない!ブービー人気も波乱の主役

さらに警戒すべきは、波乱の主役は最低人気だけではないという点です。それに次ぐブービー人気(最後から2番目の人気)の馬も、同様に数々の番狂わせを演じてきました。

ハンデ戦でブービー人気が勝利した実績一覧(WIN5対象レース全期間)

日付 開催 レース名 馬名 着順 頭数 人気 払戻金
24/09/15中山レインボーSギャラクシーナイト115141億768万4230円
23/09/24阪神道頓堀Sグレイトゲイナー116154億2878万3320円
21/08/01新潟柳都Sホウオウスクラム11514180万7730円
21/03/28中山春興Sフォックスクリーク11096422万3700円
20/12/27阪神フォーチュンCスズカフロンティア11615843万8440円
20/07/19函館函館記念アドマイヤジャスタ11615キャリーオーバー
20/01/13京都寿Sウインクルサルーテ113123億9436万5860円
19/09/16阪神JRAアニバーサリーSメイケイダイハード198505万3250円
18/08/12小倉博多Sスズカディープ176368万6530円
18/07/08福島七夕賞メドウラーク11211149万6510円
17/03/26中山常総Sパリカラノテガミ116157295万8200円
16/08/07小倉小倉記念クランモンタナ112113810万9710円
15/05/24新潟韋駄天Sフレイムヘイロー116151億5501万6070円
13/12/22中山グッドラックHグランデスバル11615387万9790円
11/12/04中山ターコイズSマイネプリンセス115144429万7190円

もちろん、他のレースの人気が拮抗していれば、2021年の柳都S2018年の七夕賞の時のWIN5のように多頭数のブービー人気でも配当がそれほど跳ね上がらないケースもあります。

しかし、重要なのは「これだけの頻度で下位人気の馬が勝ち切っている」という厳然たる事実です。これらのデータを前にして、果たして自分の予想力だけで数頭に絞り込むことが、どれほど危険な行為であるかをご理解いただけるのではないでしょうか。

「ハンデ線の総流し」の甘い罠と賢い使い方

昼間の競馬場。競走馬と騎手たちが、スタートゲートの手前で輪乗りをしながら発走を待っている様子。

「総流し」は、難解なハンデ戦を突破するための強力な武器です。しかし、それは決して万能の策ではありません。使い方を誤れば、ただの無謀なギャンブルに成り下がってしまいます。この章では、多くのファンが陥りがちな「総流し」の甘い罠の正体と、それを使いこなすための賢い思考法を深掘りしていきます。

この章で深掘りする「総流し」実践の極意

  • なぜ?総流しに限って人気馬が来る「思考の罠」
  • 「メリハリ買い」こそが総流し戦法の真髄
  • 総流し」を見送るべきハンデ戦の見極め方

なぜ?総流しに限って人気馬が来る「思考の罠」

「よし、ここは荒れると見て総流しだ!」と意気込んで勝負した途端、1番人気と2番人気であっさり決着…。こんな経験、あなたにもありませんか?まるで馬券の神様に弄ばれているかのようなこの現象には、実は僕たちの「思考の罠」が大きく関わっています。

これは心理学で言うところの「確証バイアス」や「マーフィーの法則」に近い状態です。人間は、自分の予測や信念(今回は「総流しをしたら人気馬が来る」というジンクス)を裏付ける情報を、無意識に強く記憶してしまう傾向があります。

ハンデ戦で実際に人気薄が来て総流しが成功したことよりも、多額の資金を投じた「総流し」が、たった100円で獲れたはずの人気馬決着で終わってしまった時の「損した気分」や「悔しさ」の方が、遥かに強烈な記憶として残るのです。これが繰り返されることで、「総流しをすると人気馬が来る」という、あたかも法則のような思考の罠に陥ってしまうのです。

「メリハリ買い」こそが総流し戦法の真髄

「総流しをしたら、他のレースの買い目を絞らなくてはならず、結局どこかで外れてしまう」という反論は、至極もっともです。しかし、「総流し」戦法は、全てのレースで手広く買うことを推奨するものではありません。その真髄は、「メリハリ買い」、つまり資金配分の最適化にあります。

WIN5の5レースの中で、「このレースは鉄板。1点でいける」「ここは上位3頭で堅いはず」といった、自信を持って買い目を絞り込めるレースが一つでもあれば、そこで浮いた資金を、予測不能なハンデ戦に「総流し」として全投入するのです。

5レース全てを均等な熱量で予想するのではなく、「捨てる(絞る)レース」と「拾う(全通り買う)レース」を明確に分ける。この戦略的な資金配分こそが、難解なWIN5を攻略するための鍵となります。「総流し」は、このメリハリを効かせるための強力な選択肢なのです。

「総流し」を見送るべきハンデ戦の見極め方

もちろん、ハンデ戦だからといって、思考停止で毎回「総流し」をすれば良いわけではありません。時にはその決断を見送るべきレースも存在します。では、その見極めはどこで行うべきでしょうか。

  • 圧倒的な実力馬がいる場合 ハンデを課されてもなお、能力が一枚も二枚も上だと判断できる馬がいる場合は、総流しの必要はありません。過去のレース内容やタイム指数を比較し、明らかに抜けた存在がいると感じたなら、自分の予想を信じてその馬から買うべきです。
  • 12頭立て以下の少頭数レース 「総流し」は、点数が増えれば増えるほど真価を発揮する戦術です。16頭立てや18頭立てのレースと違い、12頭立て以下の少頭数であれば、予想の労力も少なく、ある程度買い目を絞り込むことが可能です。コストパフォーマンスを考えれば、無理に総流しを選択する必要はないでしょう。
  • 自分の中で「読めた」という確信がある場合 【WIN5格言集#10】でも触れましたが、展開や各馬の力関係を分析した結果、自分の中で「この馬とこの馬で決まる」という明確なイメージが描けた場合は、その直感を信じるべきです。他人の評価やオッズに惑わされず、自らの予想で勝負することもまた、競馬の醍醐味です。

これらのポイントを参考に、「総流し」というカードをいつ切るべきか、冷静に判断することが重要です。

まとめ:「総流し」を武器にハンデ戦を得意科目に

男性がリビングルームで馬券的中を喜び、立ち上がって両腕を高く掲げてガッツポーズしている。テレビ画面にはシャドーロールをつけた芦毛の競走馬がゴールする瞬間が映し出されている。

「なんでこの馬が…」と頭を抱える、予測不能なハンデ戦。しかし、見方を変えれば、そこはライバルたちが脱落していく絶好のチャンスの場でもあります。今回の格言『ハンデ戦は「総流し」を武器に得意科目にすべし』は、そのチャンスを確実にものにするための、思考の転換を促すものでした。

最後に、ハンデ戦を“鬼門”から“得意科目”に変えるためのポイントを整理しておきましょう。

  • ハンデ戦は「不思議の勝ち」が起こる予測不能な舞台であると心得る。
  • 「総流し」は事故を回避し、他のレースに集中するための戦略的リスクヘッジと位置付ける。
  • 「メリハリ買い」で資金を集中させ、ここぞという場面で「総流し」という武器を使う。
  • 鉄板級の人気馬がいる、少頭数であるなど、総流しを見送るべき状況も冷静に見極める。

「総流し」は、単なる運任せの暴挙ではありません。WIN5という5レースの長丁場を戦い抜く上で、精神的な安定を保ち、限りある資金と己の予想力をどこに注力すべきかを考える、極めて知的な戦略です。

次のWIN5でハンデ戦を前にしたとき、ただ恐れるのではなく、「よし、ここは武器の使いどころか?」と冷静に、そして大胆に考えられるようになっていることを、心から願っています。